Tangible life

手触り感のある生活に向けての日々の記録

兄妹飲み

ひとつ上の兄と6つ下の妹がいる。


実家は埼玉の県北にあるいわゆる田舎の洋品店。
曽祖父が開業してから現在父で三代目。
四代目には継がないようだけど、67の父は80までは続けるつもりらしい。

 

兄は同じ埼玉でもさいたま市(実家からは車で1h近くかかるか?)に戸建を購入し、奥さんと子供ふたりと住んでいる。
勤務先が都内有明方面で、朝早くから2h近くかけて通勤している。
まぁご苦労さまなこと。

 

妹は実家から一度も離れないまま、三十路も過ぎて久しい独身。
車で20分くらいの菓子店で販売員を続けてる。

 

真ん中の自分はというと、都内で賃貸マンション暮らし、妻と子供ふたりの4人家族。
アラフォー手前にしてようやく悠々自適なライフスタイルに近づきつつあるものの、未来への危機感や不安感から逃れられないのは性格か。

 

そんな三人兄妹がおそらくはじめて三人だけで外で飲むことになった。
子連れで実家で会うことは年に数回あるものの、兄弟三人だけで話すことはこれまで皆無。

 

自分の話、父親母親の話、むかしの話からいまの話を流れのままに会話した。
これからの話はやや遠慮気味かも。

 

兄は夫婦喧嘩を結構するらしい。
両親は離婚のリの字も感じさせなかった、円満だった、ウチの親は凄いと続く。

 

妹とは離れて暮らすようになってからはや20年、実はじっくり話した記憶もない。
飲みながら話すからかテンションが高い。
どうやらいまの生活が楽しいようだ。
年頃の娘にタラレバ話は遠慮してたけど、早めに結婚したいと自ら言ってくれた。
そしてお父さんいいよね、お父さんみたいな人いないかな、と続く。

 

母は膝が悪く、出掛けるのが面倒なよう。
周りから提案される「老後は温泉でも行ってゆっくり」という典型を嫌う。
家のテレビで韓流ドラマやバラエティやスポーツを観てるのが本当に楽しいらしい。

 

父はこの飲み会に参加したかったらしく、気になってLINEを送ってきたり。
妹より、実家の塀に何処ぞの若者の車が夜中に突っ込んできて警察沙汰になったエピソードを聞く。
なんでも当て逃げした若者は警察署で泣きベソかきはじめたんだとか。
父は見ず知らずのその加害者を慰めてた、というなんとも落語のようなお噺。
そんな父は下町気質?の商売人で落語好き。

 

父と母への尊敬の念が年を重ねるごとに増していくのは兄弟共通だった。
家族だけど、みんなそれぞれのスタイルや仕事や考えかたが確立されてる。
いかがなものかと思っても否定すべきでなく、そのスタイルを尊重する。

ただほんの少しだけ、幼き頃に取っ組み合ってケンカしたような遠慮のないストレートな関係をふと思い出すと哀しくなる。
思えば遠くへきたもんだ、と。

 

今後再び距離が縮まったら、家族だからこそ指摘できることに踏み込みたいとも思った。